むしゃむしゃ

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カディ、順調に回復しています。

あれから、明確な疝痛の症状は出ていません。

最初のうちは、たまに弱々しい表情になったり、
座ってしまうことがあったのですが、
そういう時は、ガスター10を服用させ、
様子を見守ってきました。
お灸もすえてきました。

幸い、症状が悪化することなく、
すこしたつとまた元気になってくれました。

いまは、かなり元気も復活、食欲も旺盛です。

食べる量は、絶食が終わった後から、
すこしずつ段階的に増やしていって、
今はほぼ、前と同量を食べているんじゃないかな。

でも、食べ方には、ずいぶん気をつけています。
なるべく空腹になる時間を作らないように、
お天気のいい日は、ちびちび食べられる芝地に繋牧しながら、
足りない分を、刈ってきた青草とイタリアンで、
2〜3時間おきに少しずつ補っています。

夜は屋根の下に移動して、
これもできるだけいっぺんに食べないよう、
草やイタリアンを、あっちこっちに小分けして、
置いています。

ボロもいい感じに出ています。

とはいえ、まだ慎重に見守りながら、養生していきます。

今回の疝痛の原因とこれからの対策についてなど、
書こうと思っていたのですが、
わたしの方も、ちょびっと疲れが出ているので、
それはまた今度。

ご心配をおかけした皆様に、まずはご報告まで。

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疝痛考1

カディ、いい感じで過ごしています。

今回のカディの疝痛について、まとめておこうと思います。
ちょっと長くなりますので、ご興味のある方だけどうぞ。

馬の疝痛は、場合によっては死に至ることもある、
ちょっと怖い病気なんですね。
その原因も様々で、
過食疝、便秘疝、痙攣疝、風気疝、変位疝、 血栓疝、寄生疝、
などの種類があります。

与那国では医療機器を使った専門的な診断ができないし、
島の獣医さんは、若くて熱意もあって勉強家、
とてもいい先生なんですが、牛が専門で、
馬を診断した経験はないのでした。

ですから、カディの様子を観察したり、
一般的な知識を元になんらかの処置をして、
その後の反応がよかったかどうかで、
原因を推察するしかないのです。
本当のところは、お腹を開いてみなければわからない、
というむずかしさ。

カディの場合、かれこれ一ヶ月、疝痛に悩まされたわけですが、
この期間に、私はずいぶんいろいろ考え、情報も調べ、
(馬の胃腸の構造とかに詳しくなりました)
馬仲間のネットワークにも助けられて、
たぶん、こういうことだったんじゃないか、と、
考えるようになりました。


第一に、カディは、生まれ育ちから、
疝痛になりやすい資質があること。

幼い時に母馬が死に、成長期に栄養が足りなかったため、
もしかしたら内臓にもなんらかの影響があったかもしれません。
また、歯並びもガタガタでよく噛めてない可能性もあり。
(永久歯にはえかわって、だいぶ改善されました)

そして、こころの面。
飢えの中を生き延びたので、食い意地が張っている。
すこしぐらいお腹が痛くても、食べたい欲求の方を優先します。

疝痛が起こりやすい資質があるということ、
これはケアをしながら、
一生つきあっていくしかありません。


第二に食べ方の問題。

いまカディは、ふれあい広場の群れに参加させてもらっています。
朝飼い、夕飼いの時は、一頭ごとにつながれて、
みなそれぞれ自分の分を食べます。

カディは以前にも疝痛を起こしたことがあるので、
濃厚飼料はいっさい与えず、
青草と干し草とふすまだけ、です。
それでもけっこう丸々しているので、栄養も足りてる、
だから問題はないはず、と思っていました。

でも、内容や量ではなくて、
食べ方の問題がけっこう大きかったかなー、
と今は思っています。

というのも、広場の放牧地は森なので、
馬が食べられる草は、あまりないのです。
朝飼い、夕飼い以外では、
刈ってきた草を持って行って草場に置き、
それを馬たちが自由に食べる方式なのですが、
群れの中で立場の弱いカディは、
あまり自分のペースで食べることはできません。
すみっこの方で、周りをうかがいながら、
食べられる時に急いで食べる、という感じです。

そのこともあって、朝飼い、夕飼いの時、
補うつもりで、わたしは心持ち多めに草をあげていたのです。
でも、朝夕だけ、一気にたくさん食べて、
それ以外は、食べられない時間もけっこう長い、という環境は、
食い意地の張っているカディにはつらかったかもしれません。
だからなおさら、食べられる時にはがっついて食べる、という、
悪循環があったのではないか、と推測しています。

馬は一日16〜20時間、
ちびちび草を食べ続ける生き物です。
消化器官もそのようにできています。

つまり、カディは、
短時間に大量の草を一気に食べる、
という食習慣から消化不良になり、
便秘疝になったのではないか、と思います。

疝痛になってからも、ボロはけっこう出ていたので、
いまいち確信がもてなかったのですが、
3日半絶食している間や、その後浣腸した時にもボロが出たので、
やっぱり詰まっていたのでしょう。


第三に、胃潰瘍。

疝痛の回復が遅れ、長期に及んだこと、
治療のために鎮痛剤や胃腸の働きを促す薬を、
何回も投与されたこと、
絶食のストレス、
などが合わさって、後半のお腹の痛みは、
軽い胃潰瘍だった可能性が高いです。

もしかしたら、以前から、ちょっと胃が荒れたり、
ということもあったのかもしれません。

実は競走馬の8割に胃潰瘍があるそうです。
育成中の馬でも3割いるそうなので、
カディがなってもおかしくはありません。

胃潰瘍のある馬も、疝痛のような症状を繰り返す場合があること、
今回、初めて学びました。


以上が、今回の疝痛についての考察です。


長くなりましたので、
今後、疝痛を予防するためにはどうしたらよいか、
という対策については、いずれまた。

ちなみに今日は、4年前、カディと初めて出会った日です。
いろいろなことがあったなー。

疝痛考2

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食事を一日6回に分けてあげるようになってから、
カディの雰囲気が、
目に見えてリラックスしてきたような気がします。
焦る感じがなくなったというか。

そして、毎回、「かわいい目」と、
「ブフフフ」という鳴き声で、
迎えてくれるようになりました。
へっへっへ、これは役得!

カディと私の関係は、
いまけっこういい感じなんじゃないだろうか。
なんというんだろう、
ちょっと信頼されてる感があるような。

そばにいる時も、
一緒に歩く時も、
なんとなくいい感じ、なんですよね。


看病をしている間は、
昼もなく夜もなく一緒にいて、
それはそれで、ものすごくよい体験をしました。

牧場は、電気の通っていない、
集落からすこし離れた場所にあるので、
夜は、ほんとうに真っ暗になります。

わたしは、暗闇が怖くありません。
カディのそばにいるからかもしれません。
数週間、私もとぎれとぎれに寝る感じだったので、
だんだん、変性意識状態というのか、
ちょっと不思議な感覚の中に入ることがありました。
暗闇の中で、生とか死とか、
いろいろなものの手触りを、
感じていたような気がします。

生き物の、生きる力ってすごいものだなあと思います。
でもまた、それはもろい、消えてしまうものでもあります。
命はつながっていくもの、なんですよね。


さて、カディの馬社会復帰のために、
ちょっとした試みを始めています。

まず、群れの中で、いちばん気立ての優しいオードリーを、
カディがいる枠の中に、2時間ほど試験的に入れてみました。

けんかはしないけど、遠くから意識しあう2頭。

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ちょっとずつ、近寄っていきます。

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ここで私が手に乾草を持っていったのが間違いだったのか、
カディが縄張り意識を発揮してしまったようで、
一瞬、オードリーを追うような感じに…。

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それ以降は、オードリーはすみっこに、
カディはなんとなく意識しながら、
真ん中に陣取る、という立ち位置になりました。

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ごめんね、オードリー。
仲良くなってほしかったんだけど。

ここで、なぜか、犬が乱入。
遠くの集落から(勝手に)遊びに来たクナチです。
犬とは仲良くなれそうなカディでした。
(お腹ぽっこりがすっかり元通りになっている…)

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この後、年の近いアマルとも試してみたのですが、
カディ、けちょんけちょんにやられて…。

やっぱり、オードリーはやさしい馬だ。

お散歩

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ほんとーーに久しぶりに、
カディに乗ってお散歩しました。
お正月の初乗り以来だ。

といっても、広場のまわりをぐるっと回るだけ。
カディの様子を確かめながら、
ゆっくり、のんびり。

疝痛が起こる前のあれこれを考えなら、
カディが負担に感じるものはなんなのか、
様子を観察しながら、確認しています。

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草タイム。
このうなじの角度を見るのもひさしぶり。

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短いお散歩でしたが、問題なし。
カディのストレスも、ほとんどなさそう。
帰ってきて、また草をむしゃむしゃ。
どちらかといえば、ごきげんな感じ。

のんびりマイペースで、
わたしが乗る分には、だいじょうぶみたいです。

先日、試験的に、オードリーやアマルを、
同じ囲いの中に入れてみた時は、あとでカディが、
ちょっとお腹を気にするしぐさをしていたんですよね。
カディにとっては、やっぱり、そっちがストレスなのか。
一年半以上、同じ群れの中でなんとかやってきているので、
カディなりの社会性を築いていたと思っていたのですが、
なにかあったのかもしれません。

無理せず、ゆっくり、これからの方向性を見定めていきたいです。

新しい道

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この間、またカディに乗って外へ行きました。
すこし長めのお散歩ぐらいのつもりで出かけたのですが、
カディが、新しい道を発見!

実はこの道、最近、広場のみんなが開拓したばかりの、
森林を抜けていくワイルドなコースなんです。
まだ整備中で、広場のみんなも何回か試し乗りをしているぐらいの段階。

私も行ったことのない道です。
でも、好奇心旺盛なカディは「行ってみたい」と言う。
私は、じゃあ、行けるところまで…ぐらいの感じでいました。

ふつう、馬は知らない場所に行くと、
緊張して、なかなか前に進まないもの。
他の馬の後についていくならともかく。
乗る人も、馬を前に出すのにけっこう苦労することが多いです。

カディは、そこがちょっと「ふつう」ではないんですね。
わたしにとっては、とてもありがたい、
「ふつう」ではないところだけれども。

途中、道を整えている馬仲間に遭遇。
聞けば、この先も、まあまあ行けそうな感じ。
ということで、そのままGOのサインを出すと、
前へ、前へ。
どんどん行くカディ。

まだ体調が完全ではないと思っているので、
ゆっくり、ゆっくり、と声をかけながら、
進んでいきました。

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森を抜けて、着いたところは、高台のてっぺん。
空と海が見えるところ。

馬社会の中では、はしっこにしかいられないけど、
こういう状況では、がぜん強さを発揮するカディ。
新しい道を共に歩いて行くには、最高の相棒です。

カディまかせ

カディは、天気のよい昼は繋牧、
雨の日と夜は、屋根の下の囲いの中で過ごしています。
他の馬と一緒ではないので、毎日のんびり、ストレスはないけれど、
放牧のような自然な動きがありません。

すこし運動不足を解消させたいなーと思っていて、
でも、ひき馬でたくさん歩くのは、
体力のない私にとってちょっときついし、
調馬策はできないし…。

あ、外乗り散歩は、
運動と青草を食べさせることができて、一石二鳥なんじゃ!
乗るんだったら私も楽ちんだし、楽しいし、
そしたら、一石三鳥なんじゃ!

と気がつき、できるだけ毎日そうすることにしました。


それで昨日もでかけたわけですが、
前から一度やってみたかった、あることを試してみました。

それは…
手綱から完全に手を放すこと!

といっても、駈け足の馬に手放しで乗る、
というようなワイルド系ではありません。

単に、カディは、好きなように動いていい。
好きなだけ草も食べていい。
すべてカディまかせ、ということです。

わたしは手綱を持たずに、背中で揺られているだけ。
足の扶助も、重心移動による扶助も一切なし。

これ、馬乗りにとっては、ある意味、言語道断なことなんですよね。
乗馬は人がリーダーになる、というのが鉄則です。
それを崩してしまったら、馬がいうことをきかなくなる、とか、
順位付けが乱れる、とか…。

でも、いけない、と言われるとやってみたくなるのが私の性格。
ほんとうのところはどうなんだろうと確かめたい。

もちろん、人の馬ではこんなこと、絶対できません。

で、人も車もいない農道で、
1時間ほど、ほぼ「カディまかせ」で散歩してみました。
手綱は、ウエスタン鞍の角の部分にひっかけています。
完全に手ぶら状態。

その一部を動画でごらんください。




まずはずっと道ばたの草を食べ続けたカディ。
気が向いたら前に進んでまた食べる、のくりかえし。
めちゃめちゃうれしそうな様子。

そのうち馬が嫌がる水浸しの道に遭遇。
カディも躊躇しているのか、と思ったら、
水飲んだり、草食べたりしてる…。
ものおじしない、マイペース。

水の音が聞こえると、そちらを向く、
というような動きも、手綱で完全にコントロールされている時は、
自由にはできません。

馬の視線、馬の動きを
そのまま感じられる喜び。

たまに、こうやってすたすた歩く時も。
で、また草を食べる。



カディは、どこかに走っていこうとしたり、
私を振り落とそうとしたり、ということはなく、
ずっと背中に乗せて、運んでくれました。

私は、カディの背で、ただただ揺られながら、
蝶々や鳥の姿を目で追ったり、
のんびり、ぼーっとしたり。
まるで、桃源郷の中にいるような、
ものすごーーーく幸せな感覚の中にいました。
カディ(風)まかせ。

分岐点に来た時だけ、
こっちに行こうよ、と、ほんの少し指示を出したら、
すなおにそちらに行ってくれました。

帰り道、車や人が通る道に近づいたので、
手綱を取り、完全な私主導に戻りました。
その時、カディは、試すつもりか、
一瞬、5cmぐらいの高さの、尻っぱねっぽいことをしました。
でも、「んなわけないよねー」という感じで、
すぐに、いつもの感じで(いつも以上かも)
おりこうに帰りました。
おりた後も、特に、自分の優位を主張してきたりしませんでした。
けっこう満足そうでした。

そういうことなんだねー。


実際にやってみてわかったのは、
私は、馬を自分の思い通りに動かしたい気持ちよりも、
馬の世界に私が入っていきたい気持ちの方が、
はるかに強い、ということです。

ま、今回は、カディと私、双方が、
もう互いの性格をよーくわかっていて、
気心が知れているから、
そして、今のタイミングだから、
こういう感じになったんだろうなーと思います。
この先、同じことを続けたら、またわかりません。

さて、どうなるでしょうね。
楽しいなー。

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