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風が吹いた日

今日、私は、馬の人、になった。
仔馬が、私の元にやってきたからだ。

誰かに問われるたびに、馬と暮らそうと思う、
と口にしてきたが、
それはいつのことか定めていなかった。
むしろ、定めないようにしていた。

風は、向こうから吹いてくる。
そんな気がしていた。


仔馬をゆずってもいいと言う人がいる、
と聞いた時も、ぜひに、と思っていたわけではなかった。
それなら、見てみるのもいいかな、
という程度の、気楽な心持ちでその場にいったのだ。

ところが、仔馬に会ったとたん、
真空に入ったような感覚になる。

20100207a.jpg


仔馬の持ち主が言った。

「このまま連れてけばいいさ」

気がつくと、私の口が、

「そうします」

と答えていた。


まったく何の準備もなく、
仔馬の首につながれたロープを手に持ち、
家路についた。
仔馬は不思議なくらい従順に、
私のあとをついてきた。
てくてくと4時間ぐらい、仔馬を連れて歩いた。

なんとか家にたどりつき、
とりあえず、家の前の原っぱにつないだ。

ふう。

本当に、物語はどんな風に始まるか、わからない。

仔馬の名前を、カディ、とつけた。
島の言葉で、風を指す。


20100207.jpg

コメント

ナントマアアイラシイコト。むすめ?むすこ?

むすめ、です。
こう見えて、けっこう野生的なんですよ。
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河田桟

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