通り道



はしっこの家のまわりは、
ぐるりと空き地になっていて、
動物たちの会合場所になっている。

いつも来る犬のコンビや、
猫たちの何匹かと、顔見知りになった。

ある日、机に向かっていると、
風が吹いた。

たたたっ。

一匹の猫が、家の中を通っていったのだった。
東のガラス戸から西のガラス戸へ。

日が経つうちに、
南の窓から物置へ、とか、
台所の窓から東のガラス戸へ、とか、
いろいろな経路で、いろいろな猫が、
通っていくようになった。

通り過ぎる度、猫はいつも私を見る。
きっと、なにかを試しているのだろう。

私は何もしない。
ただ、静かに見返す。

猫は、よし、確認した、
という風に去っていく。

はしっこの家を通り道にしていく猫は、
たぶん、5匹ぐらい。

その中の一匹──ちびの黒猫、
面倒くさいから、クロと呼ぼう。

クロは、ひょこひょこと歩いてきては、
ちらっとこちらを見て、去っていく、
その回数が、他の猫よりほんの少し多くなった。

とうとう昨日は、床の上で立ち止まった。
そうっと、こちらを見る。

私は、そっぽを向いて、
自分のやっていることを続けた。

クロは、姿勢を変えていく。
ちょっとずつ。

そろそろと腰を下ろし、
じわじわと足を伸ばし、
うとうと、まぶたが閉じてきて、

やがて、眠った。

さて、どうしよう。

コメント

どうしよおって、その贅沢な景色を味わうしか、、ほんとに、うらやまし。

家にいると、いつも視界の片隅で、
なにかがちらちら動いています。
猫だったり、ヤモリだったり、
風にはためく布だったり。
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