コンタクト2

カディと宮崎の馬の人(Sさん)の、
事の次第を記しておきます。

カディボクに突然現れた見知らぬヒト。
とはいいつつも、カディは、
青草もふすまもないことが不満で、
むしろ、そっちの方に気が取られていた。

最近はよく繋牧中に、
旅行者がカディのそばに寄ってくるので、
カディにしてみれば、「ああ、ヒトか」ぐらいの
関心しか持たなくなっているのかもしれない。

私とSさんが話している間にも、
カディは私に、
「草がないけど?」
と、不満を表明していた。

私が取り合わないので、今度はSさんの方へ。

「おまえがいるからだよ」
と、ひどく失礼な接近の仕方。

20101029a.jpg

耳が後ろに寝ているのは、不機嫌さを表している。

次の瞬間、Sさんが、カディの鼻っ柱に、
ごつんと一発、げんこつを見舞った。
すごい早業。

20101029b.jpg

カディはびっくり。
飛び上がって逃げた。

Sさんによると、
カディの接近方法は「馬らしくない」ものだった。

野生の馬は、見知らぬ者が来たら、
当然警戒する。
そして合図を出しながら、
徐々に間合いを取っていく。

カディは、そういう手順を踏まずに、
いきなりSさんに向かってきた。

それで、Sさんの体が、
無意識のうちに反応したのだった。

馬同志だったら、カディは、
間違いなく、ここで、
がぶっと噛まれていたはずだ。

だからある意味、Sさんの反応は、
とても「馬らしい」ものだったといえる。

その一発だけで、Sさんは、
カディをしばらく放っておいた。

カディは、わけがわからず、
考え込んでいる。

私の所に来て、
「ねえ、どういうこと?」
という顔をしている。

私は外に出ることにした。
カディとSさんだけにした。

20101029cc.jpg

カディが、Sさんに近づいていく。

Sさんが、カディの表情について、
実況中継してくれる。

首の角度と耳の関係について。
耳の伏せ方も角度によって微妙に違う。

カディの心は刻々と変わり続ける。

不安、怒り、怖れ。

そしてまた、怒りながら、
Sさんに向かっていった。

20101029d.jpg

Sさんは、すかさず、
カディを威嚇する。

カディは驚いて逃げる。

そのプロセスが幾度か繰り返された。

「このヒトには適わない」と、
納得したカディは、
だんだん、怒りが解けてきて、
ニュートラルな状態になった。

カディが止まった。

Sさんがゆっくり近づくと、
不安ながらも、我慢して、
カディはそこに立っていた。

Sさんが手をのばし、
カディの首筋を掻いた。

カディは黙ってそれを受け入れた。

20101029e.jpg

タイミング、強さ、掻く場所、
すべて本当に微妙なものらしい。

カディは、すっかりかわいい顔をしている。

と、いうような次第。


一部始終を見て私が思ったこと。

最初の方の、カディの、
かわいげのない不遜な感じは、
私が子どもだった時と同じじゃないか。

そういえば、
あいさつとか全然しなかった。
誰も尊敬していなかった。

うーむ。

とにかく、敬意を持つ気持ちは、
とても大切だ。
あらゆるものに対して。
それは大人になって学んだことだ。

というわけで、カディとの関係について、
ひとつの指針ができた。
礼儀をきちんと守れるようになろう!

これ以外にも、興味深いことを、
Sさんからたくさん学んだ。

世の中にはすごいヒトがいるものである。

コメント

礼儀だ。大人への第一歩だ。

馬も人も同じだね。最初のカディのように不躾な態度の子供もよくいるし…。
馬を育てながら自分が学ぶ、子供を育てながら親が学ぶ、ということはたくさんあるわけだ。
なるほど。敬意を持って接することは馬でも人間でも大切だと思う。
さすがに「馬の人」は馬をよく知ってるんですねぇ。

礼儀はとても大切です!

馬は飼う人を映す鏡のようなものらしいですよ。
たしかに、今回のこと以外にも、
うわ、と思うことがしばしば。
なぜか今の私ではなく、子どもの時のなんですが。
きっとそれが自分の素なのでしょうね。
非公開コメント

■calendar

05 ←  2017/06  → 07
sun mon tue wed thu fri sat
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

■search

■profile

河田桟

author : 河田桟

■mail

your name
mail address
title
message

δ