攻撃2

『攻撃―悪の自然誌』についての続き。

ローレンツが「悪」という言葉を
使ったのにはわけがある。

相手を襲う、といっても、
食べるため、とか、敵から身を守るため、
という、命を賭けた戦いは、
意外に残酷ではないのだという。
目的を果たすことに集中しているから、
動きにむだがない。

ところが、同じ種の間で行われる戦いは、
時として、過激で残酷で、
グロテスクな結果をもたらすこともあるらしい。
だから「悪」だ。

自分たちを滅ぼしてしまうような事態に
発展することすらあるのだ。
種の保存と矛盾しているように見える。
そういう意味のわからないことをしているのは、
人間だけではないのだった。

ならば、攻撃欲求とは、なんなのか。
なんのために生き物にそなわっているのか。

種の中でより優れた個体を残すため、とか、
外敵と戦うために内部で訓練している、とか、
まっとうな理由は、もちろんある。

なるほど、と思ったのは、順位制の解釈だ。
種内攻撃によって順位が決まる。
順位がはっきりしたら、
もう戦わなくてもいい。
その結果、弱者も守られる、という構造。

さらにおもしろい、と思ったのは、
親密さと攻撃衝動の関係について。

ローレンツはこんなことを言っている。

「ごく親密な個体どうしの中にこそ、
はちきれるばかりの攻撃欲が盛り込まれている。」

「個人的友情をむすぶ能力があって、
しかも攻撃性をもたないという動物は、
まだひとつもしられていない。」

ひょっとしたら、生き物の中に、
攻撃衝動というものがあるから、
友情が生まれるのかもしれない、なんて、
ちょっとびっくりの発想だ。

もう少し続きます。

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