センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダーセンス・オブ・ワンダー

(1996/07)
レイチェル・L. カーソン

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昨日の文章の続きで本を一冊ご紹介。

都会で暮らしていた頃、旅に出て、
あふれるような自然を前にすると、
すぐに馴染めず、
居心地の悪さを感じることがあった。
思考のおしゃべりが止まらない。
自分の息が浅いことを自覚する。
リズムが合わない。

それでも我慢して1時間ぐらい待っていると、
ようやく、自分の体が開いて、
自然との同調が始まる。

目が色を見、
耳が音を聴き、
鼻が匂いを嗅ぐ。
さっきまでさわれなかった世界が立ち現れる。

自然はいつでも、惜しみなく、
豊かな恵みを私たちに与えて続けてくれるけれど、
それを受け取るには、ある種の「才能」が必要だ。
コドモの頃は誰でも持っていたはずのその「才能」は、
使わなければ次第に閉じてしまう。

その「才能」こそ、カーソンのいう、
センス・オブ・ワンダーなのだと思う。

美しいものを美しいと感じる感覚。
新しいもの、未知なものにふれたときに、
目を見はる感性。

海洋学者であるレイチェル・カーソンは、
その著書『沈黙の春』で、
環境破壊がもたらす地球の未来について、
警鐘を鳴らした。

でも命の尽きる前、
彼女が最後に書こうとしたのは、
甥と一緒に過ごした輝ける瞬間のことだった。

昔からこの本のことは知っていたし、
すばらしい本だと思っていた。

今、あらためて読むと、
もっと奥の方から、
ああ、本当にそのとおり、と体に響いてくる。
一言一句にうなずいてしまう。

それは、
馬と海辺を歩きながら、
月夜に波の音を聴きながら、
季節ごとに草木が発する芳香を嗅ぎながら、
私が感じている言葉と一緒だ。

こればっかりは、
観念だけで触ることはできない世界。

現実的、実践的な視点から見ても、
分断された世界を生き延びるための命綱は、
こういうところにあるんじゃないかな、と思う。

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