食べる森

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オオタニワタリという植物を食べてみたかった。
島の住人に、聞いてみた。

「どこに生えているんですか。」
「もう、そこらへん、どこにでも。
 勝手に取っていいんだよ。」
「そこらへん、って言っても、たとえばどこ?」
「じゃあ、着いてきて。」

そして、すたすた歩き出した。

「ほら、あそこでしょ。
 ここにもある。」

その人が指さすと、本当に、そこらへん、どこにでも、生えている。
今まで「見えなかった」だけだ。
でも、人のうちの石垣に生えてるやつなんかは取りにくいなあ、
という顔をしていたら、
しょうがないなあ、と言って、
いろいろな植物が自生している森を、こっそり教えてくれた。

グァバ、パパイヤ、島バナナ、桑の実、
オオタニワタリ、名前を知らぬシダ。

「早いもの勝ちだからね、他の人には内緒だよ。」

そう言いながら、その人は笑った。

シダの先っぽのくるっとしている柔らかい部分を、
手で摘んで食べると、豆のような味がする。

森に入る道は、どこかの作業場につながっているらしく、
かろうじて舗装してあった。
そうでなければ、あっという間にジャングルになるのだろう。
草木が混然と絡まり合う天然の森に、
ヒトが入るなら、それなりの装備がいる。


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