あらたな関係性

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ナーリは日々変化を遂げています。
この世界10日目、大物(長い葉っぱ)に挑戦。

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しかし噛んでいるうちに眠くなり、

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口にくわえたまま寝落ちするナーリ。

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この時点でまだ歯は生えていません。

こちらは寝起きのナーリです。
のびをして、お母さんのところに行き、一緒にこちらに歩いてくるまで。



ほわほわのたてがみ。
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この世界12日目、初めて外の放牧地へ。
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走れー。
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カディがごろごろするのを見て、
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自分もまねしてみるナーリ。
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あくびをしているナーリの口をよく見ると…
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あ、前歯が生えてきました!
(わかりにくいかもしれませんが、
 歯茎の先っぽにぽちっと白いものが出ています)




カディの警戒心はすこしずつ解けてきました。
いまカディと私の間で、お互いの感触を確かめながら、
これまでとはちがう、
ナーリを含めたあらたな関係性を築いている感じです。

ひとつずつ合い言葉を決めています。

お互いの合意のもと、無口をつけたり、
一緒に移動したりできるようになったのですが、
ヒト全般に対してはまだカディが過敏に反応するので、
それを見ているナーリもヒトに近づこうとしません。

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お母さんの陰からのぞいて見ているナーリ。

でも、毎日すこしずつ、
ナーリが近づいてくる距離がせばまっています。

こちらは昨日の朝の様子。(光量が足りなくて色がにじんでいます)


やっぱり好奇心があるのでしょうね。
離れたところに座っている私のところに、すこしずつ接近してきます。
それを見守るカディの反応も、すこしずつゆるくなっている感じ。

出産後、警戒心マックスになってからのカディは、
ナーリが私に近づく気配を見せると、方向転換させるように動きましたが、
この日の後半はそれをしませんでした。

カディとナーリの動きやタイミングを見ていると、
とても興味深いです。
特にカディはよく考えているのがわかります。
ただヒステリックに反応しているわけではないんですね。

というわけで、この先、どんな関係を築けるか、
その流れを楽しみにしています。


最後に、ナーリのかわいいショット。
しっぽによる表現。



口元と蹄の小ささがかわいいナーリの寝姿。
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たくさんのはじめて

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ナーリの誕生から九日たちました。
毎日が新しいことへの挑戦です。

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生まれて四日目。
ナーリは初めて柵ごしに群れの馬たちに遭遇。


好奇心旺盛でやんちゃなナーリに、
カディ母さん、振り回されています。
もう気が気ではない様子。
新入りの仔馬に興味津々のヤジ馬たちがおかしい笑。



ナーリは、草を食べる練習もはじめましたよ。

馬は生まれた時、歯が生えていません。
生後一週間ごろから前歯が出はじめます。

ナーリはまだまともには噛めないけれど、
お母さんのまねをして草を食べようとします。


途中、おっぱい休憩を入れながら、
一本の草を、がんばって、もぐもぐもぐ。

雨の日も、こうやって、
お母さんと一緒に食事に参加。(ナーリはまねだけ)
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あ、カディのボロを食べているのを発見!
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これって、写真絵本『ウマがうんこした』に、書いてある通りですね。

仔馬はお母さんのボロを食べることで、
必要な微生物を体に取り入れるのだとか。


あと、よーく寝ます。
すぐに眠くなってしまうみたい。

ねむねむナーリの姿を連続でどうぞ。
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カディの警戒心は、ほんのすこーしずつ、
解けてきたかな…。
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でも、その目は、いつもナーリを見つめています。
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最後に、ナーリの後ろ姿。
仔馬のお尻と肢って一直線なんですねー。
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この世界一日目

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2月17日、仔馬が誕生しました。
当日はこんな流れでした。(かなりの長文です)


いつものように夜明け前、
5時ぐらいにカディのところに着いたのですが、姿が見えません。
森の奥へ探しに行くと、出てきましたが、
なぜだか、しきりにお腹のあたりを私に示します。

お産はもうすこし先だと思っていたこともあり、
おっぱいのあたりがかゆくて掻いてほしいのかなあ、
と思ったのですが(そういうことはよくあります)、
そのうち、あ、これは!と気がつきました。

いったん車に戻り、長期戦にそなえて、
あったらよさそうなものを準備し、
森の奥に戻りました。

前々から、ここを出産の場所に選ぶのではないか、
と思っていた居心地のよさそうな窪地に、
やはりカディはいました。
私はちいさな椅子にすわって、カディのそばに陣取りました。


カディは野生の生まれですし、警戒心もひときわ強いです。
きっと、夜ひとりで森の中で産み、私が朝行くとすでに仔馬が生まれている、
ということになるんじゃないかなあ、と思っていました。
経験上、他の与那国馬のほとんどがそうでしたから。

ただ、もし立ち会うようなことがあったら、という想定で、
いちおう、心の中で決めていたことがありました。

それは、明らかな異常が見てとれたり、カディが助けを求めたりしてこない限り、
できるだけ手を出さずに、カディにまかせよう、ということです。
(とはいえ、まれに難しいお産があることも見聞きしているので、
いざという時どうするかの判断はむずかしいですね…)

馬の出産に関しては、事前にいろいろ調べ、動画を見ていたので、
仔馬がどのようなプロセスで生まれてくるかは頭にはいっていました。


さて、6時を過ぎた頃でしょうか。
まだ日の出前、暗いですが空には月があり、
ライトをつけなくても、カディの様子はわかりました。

カディは落ち着かないようすで、私の前をいったりきたり。

そのうち、ばしゃーと破水しました。
カディが横たわり、いきみはじめます。
すぐに膣から、羊膜に包まれた仔馬の肢先が出てきました。
続いてもう一方も。
(正常な始まり方だ、よかった)

カディは何度かいきみましたが、
そこで動きはいったん止まります。
仔馬の肢先をお尻から出したまま、一度立ち上がります。
(だいじょうぶ?ちょっと緊張)

何度かぐるぐる回った後、私の目の前まで来て、
触れるぐらいのところに体を横たえました。
(わーっ)

横たわったとたん、
お尻から、前肢に続き仔馬の頭が出てきました。
続いて、肩が出て、お腹のあたりまで来ました。
(よし、だいじょうぶだ)
(立ち上がった時に仔馬の胎位を調整したのかも)

そこで一休み。
そして、最後に仔馬の腰が出て一気に後ろ肢まで。
後ろの肢先だけ産道に残っていましたが、
ここまでくればもう安心です。
(よかった、よかった)

仔馬は羊膜に包まれています。
すこし破れたところからそうっと指を入れて確認すると、
鼻息を感じられました。
(だいじょうぶ。ちゃんと呼吸ができている!)

羊膜も私の手で破らず、見守ります。
仔馬がもぞもぞ動き出します。
羊膜が破れていきます。
そのうち産道に残っていた後ろ肢もすべり出てきました。
破水からはじまって、ここまで10分ほどでしょうか。
(よくやった!)


しばらくするとカディは、
お尻から羊膜を垂れ下げたまま立ち上がりました。
その動きによって、羊膜が仔馬からはずれました。
へその緒もすでに切れているようでした。

ぐっしょりと濡れた仔馬を
カディが確認し、舐めはじめます。
後産は、40〜50分後と聞いていたので、
お尻から垂れ下がった羊膜もそのままにして見守りました。


ここから先は動画があるのでご覧ください。
まずは仔馬が立ち上がるまでの様子です。


カディは最初のほう、肩と前肢でじょうずに仔馬を支えてますね。
後半、後ろ肢をあげてひっかけ、これまたじょうずに支えています。

まだ羊膜が垂れ下がっていますが、
そのうち、後産と一緒に自然にするっと落ちました。
1時間後ぐらいでした。


次に、おっぱいを探して飲むまでの様子です。


仔馬、じょうずに吸っています。


この後、ちょっとびっくりの展開がありました。
仔馬がおっぱいを飲んで、その後眠ったり、
カディも草を食べ、水を飲み、一段落ついた、と思ったのか、
突然カディが私の足下に来て、どさっと体を横たえたのです。
(なに?)

カディは最初うとうとしていたのですが、目の前に仔馬がいるのを確認すると、
ついに頭も完全に地面に投げ出して、眠ってしまいます。

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自分もお産でエネルギーを使い果たしていたのでしょうね。
私の足下に来たのは、
きっと見張ってて、ということでしょう。

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仔馬がつついても起きない。

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仔馬、不思議そう。

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爆睡中。

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やっと起きたカディ。
完全に寝ていたのは15分ぐらいでしょうか。

ちなみにカディが熟睡するのを見たのはこれが最後。
この後は、自分が横たわっている時でも、
仔馬が寝ると必ず立ちあがって、周囲に注意を払うようになりました。



みっつめの動画、はじめてのウンチです。
生まれてから5時間後ぐらい。
仔馬、ちゃくちゃくと「はじめて」をこなしています。



はじめてのウンチがこれだ!
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こちらは午後になってからの様子。
仔馬が、かわいい声で鳴いたり、でんぐり返ししたり、おっぱい飲んだりします。
カディはめちゃいいお母さん。


ここは天国か、と思いました。




今回の出産、すばらしい瞬間の連続を体験できました。
加えて、カディは私のことを信頼してくれてるんだなー、というのがわかり、
本当にうれしかったです。


と、喜んでいたのですが…

翌日から、カディの様子ががらりと変わってきました。
警戒心マックス。
自分の空間にヒトが入ってくると、きりきりーっと耳をしぼり、
歯をむき出して威嚇します。

え、私にも?
って思ったんですが、私にもです。

たぶん、おっぱいをあげたりしているうちに、
野生&母性のスイッチがはいったのでしょうね。
いま、カディに触ることはできません。
近づくと悪魔のような形相で怒ります。

唯一の救いは、草やお水を持っていく時に、
私が「待って」といえば待ってくれること。
あと、「バック、バック」といえば後ろにさがってくれます。
距離を保つ、ということならOKなんですね。


幸いなことに、私がすこし離れた場所でじーっとしていて、
そこに仔馬が遊びに来た場合、
それは見逃してくれるみたいなんですね。
鋭い眼光で確認はしますが。

仔馬は好奇心旺盛です。
生まれた日から、すでに何度かコンタクトしています。
(デレデレ)

これは二日目の様子。



仔馬の瞳って青みがかっているんですよね。
彼の目には、この世界がどんな風に映っているんでしょうか。
ヒトって変な形の生き物だなーって思ったでしょうか。
こちらがグルーミングすると、しかえしてくれます。


というわけで、驚きの日々。
カディと仔馬の「はじめて」を、
私も一緒に味わわせてもらっています。


最後に、仔馬の名前です。
いくつかの候補がぼんやりと頭の中に浮かんでいました。
実際に仔馬を目の前にして、声を出して呼んでみたりしながら、
感触をたしかめました。

そして決めたのが、

「ナーリ」。

与那国の言葉で、「流れ」という意味です。
たとえば流れ星は、「ナーリフチ」と言います。

カディとナーリ、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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